「虐待」と聞いて、まっさきに私たちの頭に思い浮かぶのは、2015年に報じられた川崎市内の
有料老人ホームでの事件や2016年に報じられた相模原市内の障害者入所施設での事件など、
先鋭化した重大事件ではないでしょうか。

これらの事件は非常に極端な事例だとは思いますが、自分自身や私たちの大切な家族が
様々な介護が必要な状態になった時、しっかりと生活を支えてほしい福祉施設で虐待が起きることは
その大小に関わらず誰も望んでいません。それは、現場で働く職員たちも同じです。

日野市社会福祉協議会では、日野市から委託を請けて市内の介護保険事業所などに勤務する
専門職に向けて、身近な地域で専門的な研修に参加できる介護人材育成研修事業
平成21年度より毎年継続して実施しています。

今回、虐待防止・発見対応をテーマに研修を開催したところ、
市内の高齢者や障害者の福祉施設で働く施設長から現場職員を中心に、在宅の生活を支える
ヘルパーやケアマネジャー、地域包括支援センターの職員など50人近い方々にご参加いただきました。

講師は、川端伸子先生(公益社団法人あい権利擁護支援ネット 社会福祉士)です。
施設で介護職員として働き、医療ソーシャルワーカー、東京都老人総合研究所での相談・研修の担当を経て、
(財)東京都福祉保健財団 高齢者権利擁護支援センターの前センター長を務められた経験をお持ちです。

川端先生からは最初に、社会保障費をはじめとする国の制度設計や職員の不足など、
福祉施設の置かれている非常に厳しい現状や虐待の考え方、
施設・事業所に課せられている虐待防止のための措置などの義務についての再確認がありました。

厚生労働省の調査では、平成21年度から27年度まで要介護施設従事者等による高齢者虐待の
相談・通報件数が年々増えています(408件→1,640件)。川端先生は、これを相談・通報者の
半数近くを占めている施設職員に発見の目が育っている証であると捉えており、評価されていました。

また、虐待防止に取り組むためには、川端先生は介護職として働いた実体験も踏まえ、
倫理観やケアの質を高める「個人」による動きだけでなく、職員負担やストレスを考慮して
不適切なケアを放置しない「組織」による体制づくりやチームアプローチをとりやすい
組織風土づくりの動きが欠かせないということでした。

「大変なことを大変と言い合える職員間の良好なコミュニケーション。」
虐待を未然に防ぐヒントが意外に身近なところにあることが分かりました。
私たちが施設を選ぶ際のヒントにもなりそうですね。

当会では、今後も当会WEBサイトや広報紙「ひの社協だより」で介護人材育成研修について
お知らせしていく予定です。ぜひご期待ください。

ひの社協だより

http://www.hinosuke.org/modules/other_info/index.php?content_id=23

 

(在宅サービス係)

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